肩こり、腰痛を考える2~筋膜編~

今回は長時間同じ姿勢で生活している方には価値がある情報だと思います。

前回(肩こり、腰痛を考える1~内臓編)同様、肩こりや腰痛の原因について考えていきます。以前にも書いたように肩こりや腰痛はその状態を示した通称であり病名ではありません。ですから大切なのは肩こり・腰痛を生み出している原因について医学的に考えていかなければ的確な施術やアプローチは不可能だと知ることです。

今回は筋膜の異常による症状を考えてみます。臨床上、筋膜に対してアプローチすることは多々あります。しかし注意しなければいけないこともあるのです。

そもそも筋膜とは何か知る必要があります。

まず筋膜は筋肉の表面にサランラップのように巻き付いています。これにより連続する筋肉同士のスムーズな連動を可能にしています。

次に骨格としての役割です。実は身体には2つ骨格があるんですね。皆さんが今想像した骨による骨格を第一骨格と言います。では第二骨格は何かと言うとこれが様々なルートで構成される筋膜による骨格なんですね。イメージとして骨による骨格がテントの支柱として、筋膜による骨格が支柱を支えるロープのようなものです。なのでむやみやたらとそのロープにあたる筋膜を伸ばせばいいというものではないので注意が必要です。

支柱とそれを支えるロープ。ロープが緩みすぎても緊張しすぎてもダメです。バランスが大切です。

この筋膜による骨格はテンセグリティ(テンション『張力』+インテグリー『統合』からなる造語。私が尊敬するバックミンスターフラーの提唱した構造システム。要は外部からの物理的エネルギーを張力によって連結する構造体全体に分散し、局所的破壊が起こらないようにするシステム。物理構造、考え方、双方に有効。興味がある方はフラー著コズモグラフィーをどうぞ)を人体の中で可能にしています。そう考えると筋膜は構造として非常に重要ですね。

また構造だけではなく神経の働きとしても重要なのです。筋膜には神経終末(神経のセンサーのようなもの)が豊富にあり、身体の動きや位置をモニターしています。また静脈・リンパの循環をサポートするなどその働きは多岐に渡ります。

このような重要な役割を果たす筋膜がどのようにして悪化するのか?それを考える必要があります。

それには様々な原因があるのですが、日常的には「クリープ」と「粘塑性」という力が影響します。

「クリープ」とは一定の負荷がかかり続けると時間の経過とともに物質(筋膜)の変形が増大することを指します。

また「粘塑性」とは身体の持つ弾力以上の力がかかったり、圧力が持続したりすることで生じる永久的な変形のことです。これにより痛みを生じるわけです。

心当たりのある方も多いと思いますが、このような力は長時間の同じ姿勢、座りっぱなし・立ちっぱなしなどで容易に起こります。先ほど述べたように筋膜は神経のセンサーとしても重要であり、その筋膜が異常を起こすとモニターが正確に作動せず、間違った情報を脳・脊髄に送ってしまい正常な判断ができなくなります。その結果は正しい動きができない、痛みが増大する、リンパ・静脈が循環できないなど好ましくない症状が連鎖的に起こってしまうんですね。

この筋膜の異常は動作や症状を判断し、筋膜リリースをすることで改善していくことができます。そして身体を使うこと!運動をすることでいい状態を維持できますから。

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