若い力がスポーツで活躍するために~施術家として考えること~

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。院長の柳です。

当院にはクライミング、水泳、野球、サッカーなど、競技に全力で取り組むジュニアアスリートが来てくれています。その中には日本一、県代表、世界選手権出場などいろんなレベルの選手がいます。

今回は私たちがジュニアアスリートを施術していく上で考えたことを書きたいと思います。成長期にあるジュニアアスリートに関わる時に一番大切なことは何でしょうか?結果を求めることでしょうか?精神力でしょうか?

私は怪我をしない!これが大切だと思います。そこを大前提として年齢に応じた接し方を丁寧に行う事が重要だと思っています。

スポーツに詳しい方ならゴールデンエイジ理論という言葉を聞いたことがあると思います。ゴールデンエイジというのは簡単にいうと運動センスを磨くのにもっとも適した時期のことを言います。ゴールデンエイジは3つに分けられます。まずは1、プレゴールデンエイジ 3歳~8歳くらい その次に2、ゴールデンエイジ 8歳~12歳 そして最後に3、ポストゴールデンエイジ 12~15歳です。この時期にはそれぞれ特性があります。

1のプレゴールデンエイジの場合、運動における多種多様の動作を経験し、基本的な運動動作を身につける時期と言われています。反面、思い通りに身体を動かせない時期でもあります。

2のゴールデンエイジでは思ったように身体を動かせ、プレゴールデンエイジで基本動作を身につけていれば動作を見て即習得でき、技術・センスともに大きく成長が見込める時期です。

3のプレゴールデンエイジは神経系は9割出来上がっており反復練習をして基本動作の質を高める時期と言われています。

タイトル画像の赤い線に注目してください。神経系の発達を指しています。この時期を逃さず運動神経を磨こうというのが『ゴールデンエイジ』理論です。

こう見ると2の時期が重要に見えますが私は1の時期の方が、むしろそれより前が重要と考えています。我々はスポーツトレーナーとしての仕事を中心にしている訳ではないのでゴールデンエイジについてはスポーツトレーナーの方々はじめその道の専門の先生方に譲ることにします。ここからは施術家として考えていきます。

いかにプレゴールデンエイジの時期に基本動作を習得したかで、その後のゴールデンエイジでの発達に差が出るかはわかると思います。しかし私たちはさらにそれより前の時期を重要視します。

ではなぜゴールデンエイジ以前のプレゴールデンエイジ、あるいはそれより前のほうが重要と考えているかというと基本動作の習得は神経反射の獲得とともに生活環境に大きく左右されるからです。端的に言えば環境や状況によっては神経が十分に発達せずに年齢だけ重ねることは度々あります。ある意味基礎ができてなければゴールデンエイジは意味をなさないのです。

では神経が十分に発達していないとどうなるか?体育座りの出来ない小学生や、うまく咀嚼、食事を出来ない子供をよく見かけます。実はそう言った子供が多いことをご存知でしょうか?この例のような子供は多くの場合、神経発達に何かしら生活要因が関係しています。これらは極端な例ですが普通に生活をしている人でも、大なり小なり何かしらの神経的問題を3歳以前の発達段階で、あるいは獲得後何かしらの問題で起こしていることが多々あります。私たちはこれを神経学的統合不全として注意深く見るようにしています(様々な症状に関わっているからです)。

そのような場合はまず問題となる要素(視覚、足部、頭蓋、耳など多岐に渡ります)を探し出し、修正しなければトレーニングの効果は上がりません。なにせ正常なシステムにバグが混ざった状態ですので正しく認知できないんですね。つまり正しい判断(身体の反応)は出来ないということです。逆を言えばそれを修正できれば間違いなく運動能力は上がると言えます。

なのでゴールデンエイジは大切ですがそれにとらわれると年齢に固執したり、勝手に限界を決めたりと良くない面もあると僕は思ってます。今ある能力を最大限引き出すことを考えることでよりポジティブに取り組めば結果は出てきます。なぜなら多くのスポーツは身体能力だけで勝負が決まるわけではないからです。

これから先、どんどん成長するジュニアアスリートには身体のことだけでなく、コミュニケーションや学ぶことへの情熱、素直な気持ちを大切にしてもらいたいと思います。結局それが人としてアスリートとしての成長につながっていると言えそうですから。僕もかくありたいものです。

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